【西粟倉駅】
(岡山県 英田郡 西粟倉村)
平悪七兵衛景清を祀る【景清神社】
【西粟倉村】は、智頭沿線で唯一の村、岡山県の最北東に位置している。
地図の上では、吉野川・国道373号線・智頭線の3本が、行儀よく並んで北上しているように見えるが、国道からは智頭線の線路が、あまり見えないのは、トンネルが多く、山の中を走っている区間が多いためだろう。
岡山県最北の村だけあって、地形的にも智頭線はトンネルが多く、数は8カ所もある。このあたりは豪雪地帯のため、雪対策を考えての線路かも知れない。そのため、この付近では沿線風景を楽しむゆとりは少ない。
西粟倉村は総面積57.65平方kmと、決して小さな村ではないが、人口は2千人足らずの典型的な過疎の村である。それだけに、村の活性化を図るために、村あげて様々な事業に取り組んでいる。
特に伝統的な産業としては、【林業】がある。
すでに明治初年から植林に力を入れていたので、緑化推進のルーツともいえよう。
ふれあい広場と智頭線
西粟倉村は【森の村】と呼ばれ、その植栽率は97%、日木一と地元の人は言う。見渡すかぎり手入れの行き届いた美林が続くのは、100年以上の努力を重ねた結果である。
しかし、これら豊かな森林資源を活用できた頃は良かったが、昨今のような木材市況の低迷は大きな痛手となった。
そこで、この打開策に【木材流通センタ−】を開設、いろいろな木製品を開発して、展示・即売をしている。
さらに、地元の特産品、ソバ・シイタケの直売など、様々な努力が続けられ、持に国道沿いの【あわくらんど】は人気も高い。
次に、地域全体にあふれる豊かな自然を活用した観光開発にも取り組み、【産水の郷】(うぶみずのさと)と名付けた村営の森林公園をオープンさせ、また西粟倉村の伝統民芸品を展示した【あわくら民芸館】を開設し、観光客の誘致に力を注いでいる。
また、ここは中国山脈を境にした昔の国境の村だけあって、歴史の多い村でもある。
平家一族の勇将【平悪七兵衛景清】を祀る【景清神社】、中世の山城・黒山城跡、美作七福神の一つに数えられる岩倉寺で、毎年2月に行われる神木を取合う裸まつりは、西大寺会陽の県北版。
また、粟倉神社の檜の巨木は、西栗倉村の指定天然記念物である。
このページの【写真】および【近隣の紹介文】(抜粋)は、上郡町の【上郡〜智頭沿線を愛する会】(代表 有田明義氏)が、発行した冊子【ふる里の軌道】”智頭急行沿線探訪” の中から、有田氏の承諾を得て、使用させていただきました。
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