ブランクだったページがたいそう余っているので、再利用しようと試みる。
その結果としてここのURLがtouring−kyushu…となっているわけですが、細かい事は気にしないで下さい。
いや、そんなことはさておき、いつ以来の更新でありますか、ここ?
まあそんな些事はどうでもいいんです。
久々にいきますか。

そんなわけで(←?)写真は取り込んだものの、まるで執筆する気にならなかった8月のちょっとツーについて書いてみよう。
この辺りじゃ稲刈りも済んで、秋の朝霧が漂う時期になってきてるってのに、なんともまあ季節外れの話題で恐縮ですが。

時は猛暑まっただ中の8月上旬。
とにかく今年の夏は暑かったのです。暑いとバイクに乗る気力も薄れる。
単車に乗らない人からは『バイクって夏は気持ちいいでしょ?』とか言われるが、気持ち良いのは熱さで脳がトリップし始めてからだ。
炎天下ではもう1秒たりとも信号待ちすらしたくありません。
股間にエンジン抱えてんだぜ?色んな意味でヤバイ。

だからしてこの夏はめっきりと乗る機会が減っていた管理人であります。
まあ近年はこの傾向が著明でありますが。
そんなある日。
職場の上司が広島の尾道ラーメンを食ってきたとそれはもう得意気に話してくれたのです。

『向こうは海が綺麗やったし、Yくん(ボク)バイクで行ったら、
きっと気持ちいいよ!
挑戦状を受け取った。
股間でエンジン焚いてはるばる尾道へ、その結末でラーメン(注:HOT)を食えと言うのかこの人は。
確かこの数日前は体温に匹敵するほどの酷暑が記録されたように記憶していますが。

そんなわけで(2回目)、たまの休みの日曜日。
日が昇ってからの出発だと途中で挫折するのは目に見えているので、早朝5時、国道2号線を西に飛ばす事と相成った。
ちなみにボクは暑いのが目一杯苦手です。

ルートは特筆することはなく国道2号で兵庫〜岡山へ進行。
備前市で岡山ブルーラインに乗り換え、これをさらに西へ。
ブルーラインはここモーターライズドなんとかでも頻繁に登場する無料バイパスで、信号が無いため国道2号線の格好の迂回路です。
勾配のあるワインディングにもかかわらず、法定速度はMAX60キロというからそのハイペースぶりが推測できるでしょう。
ちなみに1カ所オービス様が鎮座まします。
くわばらくわばら。

さてブルーラインを20キロ余り走ると道は再び国道2号線に合流します。
ここからの国道2号は片側2車線〜3車線の非常に快適な幹線道路となるのですが、いかんせん天下の大動脈。
流れは悪くはないのですが、パチンコ屋とコンビニが密接して乱立する、まるで旅情気分の盛り上がらない風景が続きます。
なので以下を大幅にカット。
打ち切り寸前のマンガのように一気に時間を進めます。

トヨの戦いは始まったばかりだ。
一体どこなのか
で、尾道に到着。
まるでワープしたかのような速さですが、実際には2時間くらいかかったんじゃないかな。
岡山西部の笠岡市内は2号線とて1車線だったし、クルマも多くなってきてたからそんなに飛ばせませんでしたから。
それでも兵庫最西端の某町から尾道までは100q以上あるから、お盆前の2号線にしてはスムーズに進めました。

それにしても暑いです(回想してます)。
体感気温は27〜8℃くらいか?
まだ午前7時なのにすでにセミがワンワン鳴いています。暑さ倍増。
鳴くゴキブリのような格好のくせに生意気な連中だ。

尾道駅周辺をぐるぐる回ってみたのですが、めぼしいラーメン屋が見つかりません。
それもそのはず。
朝の7時ですもん。
勇んで早出したそんな自分がけっこう好き。

真夏の早朝からラーメンを食べるような、モーターライズドなんとかの管理人のような物好きは、まあそんなにはいないんでしょう。
ガックリきたので尾道の写真は↑の微妙な場所のものしか撮れていません。
どこかの店が昼前に開店するまで待つという手も考えたのですが、それをするにはあまりも暑い。
あっさりとラーメンを断念して帰路につくことにしました。

陽はさらに上がって気温も上昇し始めています。
国道2号線の、しかも上り車線を走る気には到底なりません。
そこでツーリングマップルと相談の結果、福山市を迂回し高梁市、新見市をぐるっと回る岡山県北ルートを走ることにしました。
県北を含む岡山市以西は全く走ったことがないので(津山市周辺はガンダムがらみでしょっちゅう行ってる)、わりと楽しみ。

尾道市内のコンビニで一服したあと、国道184号線を北上します。
10qほど北上したところで今度は国道486号線に入り、これを北東へ向かう。
ちょうど福山市の真裏を走る格好になりますが、ベッドタウンなのか交通量が多く、乱立する信号機にストップ&ゴーを強いられます。
水温計が100℃を超え、G3(ZRX)が変になり始めた頃、ようやく北上する国道182号線の看板を発見。
迷わず左折し、これを北に進行します。

ここからは信号は姿を消し、徐々に標高を上げながら気持ちの良い高原ルートとなっていきます。
ボケ始めてたG3も自分を取り戻し、心地よさそうに走っています。
クルマも少なく、なかなかの快走ルート。
少し走ると前方に道の駅の看板が現れたので、休憩と水分補給をするべく駐車場に入りました。
ここは道の駅“さんわ182ステーション”。
親切なようでまるで良く分からない地図
最初は“さんわ182ステーション”とは、なんちゅう名前の道の駅やねんって思っていたのですが。
ツーレポを書いててようやく気づきました。
三和町の国道182号線沿いにあるからなんですね。

さて、駐車場に入ると、なんとそこには白のZRXの姿が!
傍らで一服していたオーナー氏とおぼしき男性に会釈して近寄る。

写真を取り忘れたのですが、白にオールペンされたなかなか綺麗な1台です。
あまり見かけない左出しのフルエキゾーストマフラーがめっぽう格好良かったです。
オーナー氏はスポーツマンっぽいさわやかな青年で、知り合いからこの車両を譲り受けたとかで年式などは不明とのこと。
パルシングカバーなんかも交換されてたから確かに年式は良く分からなかったけど。
エンジンのフィンが面取りされていなかったからたぶん初期型なんでしょう、と返答しておいた。
こう見えてZRXの初期型にはちょっとうるさい男なのだ、ボクは。

白のZRX氏との会話もそこそこに再出発するボクとG3。
凄まじい熱気にG3も調子を崩し始めていたけど、この小休止で何となく回復した気がします。

国道182号を快走しながら北上します。
路面はなかなか整備されてるし、交通量も少ないうえに適度なカーブが具合良く配置されているのでとっても快適。
途中ループ橋をへて東城川沿いの渓谷を走ること20qあまり。
前方に高架が見えた。
兵庫から山口まで本州を真っ二つに横断するハイウェイ、中国自動車道です。

ここからもう少し北に進めば広島、岡山、鳥取の3県の境界となる。
三県境は是非とも記念撮影したかったのですが、マップルを見ると境界線は完全に山の中にあるようでしたので断念。

中国道の高架をくぐってすぐに右折し、高速沿いに伸びる国道182号を東に進みます。
この辺りには“さんわ182ステーション”の他、“道の駅東城”、“道の駅鯉が窪”と30qほどの区間に3カ所も道の駅が建ってます。
どこもけっこうバイク乗りの姿が見られましたが、やはりこの近辺は地元ライダーお気に入りのコースなんでしょうね。
中国自動車道と併走すること数十分、右手に巨大な水車が見えてきたので、好奇心から立ち寄ることにしました。
抜けるような青空(酷暑)
“冷やしうどん”ののぼりにお腹が鳴りそうになりましたが、ここは辛抱です。(←なぜ?)
この角度からは水車がよく見えませんので近くで撮影したいと思います。
それにしてもこの日はとてつもない極暑。
走っていると風圧でライダースの袖がめくれてたらしく、手首だけくっきりと日焼けの跡が…。
半日ですでにヒリヒリと痛みます。
和の光景
遠距離から撮っているから巨大さがちょっと伝わりにくいですが、直径はおよそ10mくらいか。
大水車の右下に青いシャツの男性が立っていますが、これと比較するとその巨大さが推測できるでしょう。
しかしこれだけの直径だとちょろちょろ流れる溝の水流だけで回すにはエネルギーがまるで足りない気がするのですが。
水圧を回転エネルギーに変換してトルクを取り出すには、もっと小型の方が効率よくて実用的なんじゃないかと。
まあ、観光用ってことなんでしょうね。

この大水車の向かって右隣には直径3メートルほどの子水車が、さらにその隣にはもっと小型の孫水車も備えてあるようです。
ちなみにボクは孫水車には気付かず、帰ってからサイト巡りをしてて偶然知ったのですけどね。

さて走り出す前にツーリングマップルを再び開いて行く先を思案します。
市街地に比べると山あいのこの辺りはやや気温は低いようですが、それでも優に30℃は超えているご様子。
地図を見ると、あと20〜30qほど走れば鳥取の蒜山高原や大山にたどり着けそうな位置まで来ています。
これは良い避☆暑☆地。
行く先決定です。

再び中国道に沿って182号線を東に向かい約10分後、今度はJR伯備線に沿って北上する県道8号線(たぶん)に入ります。
県道に入ってわずか2〜3分後、突然それはもう寝耳に水という唐突ぶりにメットのシールドにピシャピシャと水滴が飛んできた。
なんじゃ!?と思うまでもなく、すぐに気がついた。
雨だ。

こんな時まで天気の神様(※某
コメディアン)はボクに試練を与え給うのか。
視線を上げると前方、恐らくは中央分水嶺辺りに派手な積乱雲が浮かんでいるのが見えました。
迷いはしない、一気にUターン。
だって濡れるのイヤだもん。

中国山地に沿った上昇気流がこの積乱雲を産んでいるのだとしたら、雨は局地的なもので、近寄らなければどうってことはないとよんだ。
とりあえず国道182号線に舞い戻り、岡山県新見市へ。
マップルを見ると有るじゃないか避☆暑☆地が!
鍾乳洞“井倉洞”。

ここからは10qにも満たない道のりだ。
以前のツーレポで銀山跡に出かけたことを書きましたが、真夏の洞窟は納涼にもってこいの場所だと体験できました。
行く先決定。
美しい高梁川沿いの国道180号線(新見で182から180に替わる)をバビューンと飛ばして、あっという間に到着。
超カッコウ良い光景
滝が出迎えてくれる
駐車場(このご時世に無料)から歩いて洞の入り口に向かうと、名前は分かりませんが綺麗な滝が望めます。
河原では親子連れが水遊びに興じてたりして何とものどかな光景。
やっぱ日本人は休日にショッピングモールに行くような生活は送っちゃイカンのです。
自然、これ最高。

立ち並ぶ出店からは鮎を焼く香ばしい匂いと白煙が立ち上り、盛んに客寄せが行われていました。
あまりに美味そうな匂いだったのでお腹が鳴りそうになりましたが、ここは辛抱です。(←だからなぜだ)
で、発券所で入場券を購入し、入り口近くの集券所で半券を渡します。
この時に半券を回収しているおばちゃんから意外な一言が。

『中は涼しいから上着を持っといたほうがええよ』
これだけなら普通なのですが、脱いで小脇に抱えてたジャケットを見せると、このおばちゃん。

『ああ、
ライダース持ってるんやったら大丈夫やね』
ライダースとな。
60代の普通のおばちゃんに見えたけど間違いなく単車乗りだな(笑)。
普通の人はライダースを見ても“ジャンパー”とか言いますもん。
 
左の写真が入り口の光景。
この辺りから急激に冷たい風が吹き出してきています。
ここに立っているだけでも十分気持ち良いくらい。
もちろんそれだと入場料を払った意味がありませんから、先を急ぐことにします。

わりと入場する人は多いですが、見所が各所にありますのでそれほど渋滞することもなく進めます。
左の写真のように高い吹き抜けの中を、折り返しの狭い階段で登っていったりします。
ツルツル滑る場所もあるので足元には十分注意しながら進まなければなりません。
特にボクのような日常から
色んな意味で滑りっぱなしの人間はさらに注意する必要があります。
さて、ここからは写真中心になるので文章は少なめに端折りながら進行しますね。
ボクの体格でも肩がつっかえる
所々でそうとうに狭くなっている場所がありますので、閉所が苦手な人はちょっと厳しいでしょうね。
上の画像なんて壁と壁の隙間は40pくらいしかありません。
注意して身をかがめないと、気を抜いているとすぐにゴンッと頭蓋骨にダメージを受けます。

中は本当に涼しいです。
むしろ寒いくらいで、脱いでいたライダースを再び羽織りました。
推測ですが20℃を切るくらいの気温なんじゃないだろうか?
左の写真は非常出口。
後から作られた通路で、見ての通り一直線に掘られているため、全長1.2qのうち半分くらいをショートカットできる。
ボクはそんなもったいないことはしないけど、この先は勾配が急だったり通路が凄まじく狭いので、ここから出る人も多いのだろう。
右の写真は洞内を流れる水脈です。
階段をカルシウムがコーティング
これは鉄板で作られた階段。
表面が白っぽくなっているのがお分かりいただけますね。
これは鉄板の表面に炭酸カルシウムが付着した物ではないかと思います。

鍾乳洞というのは石灰岩の主成分である炭酸カルシウムが雨水によって浸食を受け、溶解することで形成されるのです。
溶け出した炭酸カルシウムが階段の上を流れるうちに、やがて沈着していったものだと思われます。
つまりこの階段が設置されてからも石灰岩は雨水によって浸食され続けているってこと。
この鍾乳洞は今も形成され続けているのです。
自然の神秘を感じた瞬間。
通路の半分を覆う
いわゆる石筍のひとつなのだろうか?
溶けたソフトクリームのように鍾乳石が美しい曲線を描いて通路に伸びています。
この独特の色味は銅でも混入しているのかな?
水衣という美しい名称が付いていますが、正直
うんこに見えた。

あるいは、タ ヌ キ の ふ ぐ り。

ご縁があるかもしれんから、そっと触れておいた。
きんたまが著しく腫れ上がったらどうしよう……。
下ネタスイマセン…空気が読めなくてスイマセン。
出口では滝を間近に望める
井倉洞は前述のショートカットを使わなければ全長は優に1qを超えます。
当然ながら曲がりくねっているうえに足元はすんごく滑るし、天井が120pくらいしかなくて腰をかがめないと通れない部分もあります。
出口を抜けるまでには普通に歩いても1時間以上かかりました。
勾配もかなり激しいので、いくら中が涼しいとはいえうっすら汗ばんできましたね。

出口では先ほどの滝を間近で見ることができます。
霧状の水滴が肌に心地良いです。
手前の木はカエデのようですから、中秋には紅葉してさぞかし風流な光景が望めることでしょう。

さて井倉洞で十分に納涼ができましたので、そろそろ帰宅の路につくことにします。
洞を出てすぐに国道180号線に戻り、そのまま南下して高梁市内へ、ここで国道484号線に入り、吉備高原都市を横断。
時々走りに来ますが、この辺りは道も整備されていて適度な曲がり具合なのでトコトコ走るにもってこいなんです。

もう暑くって飛ばす気になれないんですな、実際。
ちょっとのぼせ始めてたので涼める場所を探して周辺をうろついていたところ、妙なものを発見。
シュールだ、あまりにもシュール
なんで水田の中に三枝師匠がおんねん?
後ろの小屋と比較しても分かるほど巨大で崇高なそのお姿。
まったく意味の良く分からないオブジェ。
師匠の出身地でもないしなあ……およよ。

さて、ほど良く滑ったところで先を急ぎます。
付近にはコンビニの類が見つからなかったので道ばたの自販機コーナーで一服してからリスタート。
国道484号から国道53号線に入ります。
53号は岡山市から県北の津山市を結ぶ幹線道路なのですが、大国道にもかかわらず流れが良くって走りやすい。
このまま南下して岡山市を目指しても良いのですが、さすがにこの暑さの中で市内の渋滞に巻き込まれるのだけは勘弁して欲しい。
そこで適当なところで右に曲がり、適当に東へ向かうことにしました。
どこだかサッパリ
マップルのページをめくっていなかったので一体どこを走っているのかサパーリ分かりません。
相変わらずの狭小路好き。
あとでマップルを確認してみたところ、おそらくは赤磐郡吉井町内の県道ではないかと思われる。
実際のところ当日は行き止まりだったらどうしようと、そりゃあもう不安で不安で仕方なかったですけどね。
どうみても林道だもん。

で、およそツーリング向けとは思えない狭い道を恐る恐る走っていると突然視界が開けて、目前に美しい河川が現れた。
ん、この風景どこかで見たことあるぞ。
これ吉井川(岡山三大河川のひとつ)じゃないのか?
ということは、今合流したばかりのこの道路は国道179号線なのか。

この辺りはちょっと走りたくなったときはしょっちゅう徘徊している。
どうりで見覚えのある光景のはずです。
地理が判明したので勇気百倍、179号線を吉井川沿いに南下し、すぐに右折して県道90号線へ。

かの有名な“岡山国際サーキット”(旧TIサーキット)の脇を通って岡山〜兵庫県境を越え地元へ到着しました。
サーキットに向かう途中では何台も外車とすれ違いましたが、外車限定の走行会でもあったのかな?
ガヤルドとかモデナが何台もいたもんな…。
総額は
ウチの町の予算よりも高そうだ。

そんな中でローバーミニの軍団もいたりして、可愛くてちょっとホッとしますた。
さて、サーキットからは30分も走るとすぐに自宅に到着。

中国地方をぐるっと回った今日一日、暑さに何度も逝きそうになりましたが久々の遠乗りはやっぱり楽しかったです。
でも休憩もそこそこに走りっぱなしだったから、G3には過酷な旅だったでしょうね。
オイルや冷却水の劣化も進んじゃったろうなあ……。
秋は整備のシーズンにしようっと♪
おしまい。


本日の走行距離 385q


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