初日。 長い前書きをお読みいただきまして恐縮です。 さていよいよ出発したボクですが、神戸港までは特筆した事はありませんでした。 港に着く前に事故を起こしてはツーリングが台無しになってしまいますので、本当に冷静に走りました。 いつも通り、国道2号線から姫路・加古川バイパス〜第二神明道路を経て神戸を目指します。 無事にポートアイランドに上陸し、コンビニでフェリー乗船中の夕飯を買い込みました。 フェリー乗り場の看板が見当たりませんので、いぶかしく思って店員さんに尋ねてみると。 『ええっと、フェリーは六甲アイランドですね♪』←けっこう軽めに ギャフン。 滑り出し快調です。島を間違えました。 (神戸にはポートピアと六甲の2大人工島があるようです。兵庫県民失格ですね。) 何はともあれ、無事に6キロほど離れた六甲アイランドに上陸。 |
車の台数は少なめ |
事前に予約していたので、搭乗用紙に記入する必要はありません。 また、オートバイは4輪よりも先に乗船させてもらえます。 早々と乗船して景色を楽しみながら入浴でも済ませましょう。 |
暮れゆく神戸港が美しい |
風呂上がりのほてった身体を冷やすために、甲板で夕涼みです。 出航まであとわずか。 本州にしばしの別れを告げました。 |
明石海峡大橋のライトアップに感無量 |
うわあブレまくり。 19時30分頃明石海峡大橋を通過しました。 夕飯はカップラーメンとクッキーと簡素なもの。フェリー内のレストランは割高なので仕方ありません。 春休みにしては乗客は少なめです。雑魚寝の2等寝室も利用者はわずか。 おかけで毛布はひとり3〜4枚ずつ使用できましたし、就寝スペースも2畳分位は確保できました。 高校のバレーボール部の集団がとてつもなく騒いでらっしゃったので、3時半頃(AM)就寝。 あまりの騒々しさにどこかのおじさまがブチキレて下さいました。 うっすらと感謝。 本日の走行距離 50q 2日目。 新門司港には定刻通りAM6時半に入港。 テンションが上がり、暴走しそうになる右手を制止しつつ国道10号線を南下していきます。 ここでトヨの身に大変な事態が。 上陸早々、腹痛に襲われました。もともと胃腸は強い方ではありません。 走り続けると悲劇に襲われるのは目に見えていますので、慌ててコンビニで手洗いを借りました。 あまりの破壊力のため、1度では治まらず3軒もコンビニをハシゴしましたが、それは秘密です。 回復したので走行開始。行橋市で国道496号に乗り換え、九州の修験道『英彦山』を目指しました。 気温は低いですが雲ひとつ無い晴天。 最高のツーリング日和です! |
国道? |
犀川町あたりの国道496号線です。 良い感じ。 まだこのあたりは民家もあってのどかな雰囲気でした。 『ボクはこういうルートのほうが好きなんだー』などと、この時は吹いていたのですが… |
こ、国道!? |
甘かった。 500代直前の国道をなめていました。これぞ正統派3ケタ酷道。 すれ違うのも困難な1車線を落ち葉がさらに狭めています。 加えてほとんどのコーナーでわき水が流れていたりと、刺激たっぷりの道でした。 峠の例に漏れず、もちろん右側はガケが手招きしています。 1台も車が走っていませんので、トラブルの際は自力で何とかしないといけません。 細心の注意を払ってハンドルを握りました。 野峠で酷道500号に分岐。 へろへろになりながら英彦山に到着しました。 |
独りでJOJOポーズを決めるお寒いヒト |
英彦山周辺は日本3大修験道場だそう。 霊感ゼロのボクでさえおごそかな気分にさせる神秘的な霊山でした。 もののけ姫の森を彷彿とさせますね。 ↑のポーズも尊厳の意を込めてます。それはもうガッツリと。 |
木漏れ日といささか疲れ気味のG3 |
このような杉林が広がっています。 平地にある人工の杉林と違って不規則な伸び方と、手入れされない枝葉が逆に生命力を感じさせます。 山歩きを楽しみたいところですが、体力や装備に不安を感じますので、先に進む事にします。 再び496号を、今度は耶馬渓町方面に走る事にしましょう。 しばらく走り耶馬渓町で国道212号へ入ります。 496号の後半から212号にかけては、幅員は2車線になり、交通量も少ないので走りやすい。 適度なワインディングですので、法定速度で流していると旅情気分が高まります。 1時間ほど走って『青ノ洞門』に到着。 この川沿いは古来より交通の難所でしばしば転落事故が起こっていたそうです。 見かねた禅海和尚という偉い人が、たった独りで30年もかけてノミ1本で掘り抜いたのが、この洞門。 250年も経った現在でも、トンネル内部にはノミの跡が残っています。 史跡でも何でもなく、現役で使用されているのが凄いです。 両側の入り口には信号機が備えてあり、交互通行ですが、車で通り抜ける事ができます。 |
美しさだけでなく、自然の厳しさも感じさせる |
ちょっと見づらいですが、岩盤をトンネルがぶち抜いてます。 和尚は対価も得られないのに、ただただ人々のためを思ってノミを振るったのでしょう。 バックストーリーには詳しくありませんが、胸が熱くなりました。 |
頑丈そうなボディ |
洞門の入り口付近にある茶屋で見かけたいぬ。 顔はヤル気ありませんが、なかなかどうして尻尾に勢いを感じます。 目の上で茶色と白に塗り分けられたカラーリングが愛嬌ありますね。 さて日も上がってきた事ですし、ぼちぼち本格的な走りをしたくなりました。 耶馬渓ダム沿いの県道28号を南下し国道210号を別府方面に左折。目指すは『やまなみハイウェイ』。 九州ツーリングのハイライトと称されるこのル−ト。 独りで楽しんではもったいないです。 全線走破は翌日に合流する『ミノッチ』と楽しむつもりですので、本日は途中まで下見のつもり。 水分峠でガソリンを補給し、いよいよやまなみハイウェイに入ります。 |
雲ひとつ無い晴天 |
やまなみハイウェイ最高、以上。 ダメ? 語彙が少ないので表現力が制限されますが、本当に最高です。 交通量も信号も極少、加えて両脇に広がる牧歌風景とくればもうテンションは上がりっぱなし。 速度も上がりっぱ…ゲフンゲフン、いえ、そうアグレッシブな走りに変貌します。 ついつい先に進んでしまいそうになりますので(宿は逆方向)、ウエスタン牧場あたりでUターンしました。 |
背景に広がるは温泉地『湯布院』 |
↑の写真を撮った所で、前回は走行シーンのビデオ撮影をしていたのですが、同行者S氏が転倒。 滑走していく車体が道を横切り、木製のガードレールを全てなぎ倒すという衝撃シーンを撮影できました。 ひとしきりやまなみを堪能できたので、少し早いですが宿に向かう事にします。 本日の宿は『別府ユースホステル』。 ペアレント(オーナー)の人柄に惹かれて、リピーターが続出という全国的に有名なユースホステルです。 前回も利用させていただいたのですが、雰囲気がすっかり気に入ってしまったのです。 2002年夏頃に現在の位置に移転となり、さらに交通の便が良くなっています。 で、やまなみハイウェイ出口から湯布院を超え、別府市内へ。 撮影ポイントから1時間くらいでユースに到着。 チェックインは15時から。20分ほど早く着いてしまいましたが、快く入室させて下さいました。 ボクが入ったのは8〜10畳はありそうな部屋に、2段ベッドが3台だけ。 (ユースは相部屋が基本で2段ベッドも多い) 同室は3名だけでしたので、荷物置き場にも困らず、めちゃめちゃ快適でした。 せまいユースですと、ベッドの上に荷物を置かざるを得ない場合もありますので、この差は大きいです。 |
めったにツーレポに現れない管理人 |
前夜の睡眠不足がたたって、さすがに疲労が身を包みます。バタンキュー 西日の当たる部屋で、3月のそよ風が心地よい眠気を誘います。 このあと本当に30分ほど仮眠しました。 起床後スーパーで買ってきた焼きそばとおにぎりで夕飯を済ませます。 別府らしく風呂は天然の温泉を引いています。これも楽しみだったので、早々と入浴しました。 極楽極楽。 |
同室の方々とマスター(左) |
食堂にはなぜかカウンターまで装備。 マスター(通称おっちゃん)を含め、同室のお二方も単車乗り。 とくれば、熱いバイク談義の開催です。 |
中央がボク(今回は目線入れてません) |
宴会中でも革ジャンを脱がないのが変態的もとい、ライダー的。 グラス1杯のビールを注文すると、皿に山盛りの落花生が付いてきます。食べ切れません。 あまりに美味そうなので、下戸のボクもついビールを注文してしまいました。 じつに1年ぶりのアルコールでしたが、ああ、意外とビールって美味しいんですね。 しかし、この量で見事に酔ってしまいましたので、お開きを待たずして就寝。 本日の走行距離 302q |
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表紙方面 |